2021/2/8
“化粧品のHSコードを教えてください”
各国の輸入の関税率を調べることが目的だと思いますが、よくこの質問をいただきます。化粧品のHSコードと関税について、2回にわたってお話ししようと思います。
そもそもHSコードとは何でしょうか。
HSとは、Harmonized Commodity Description and Coding Systemの略で、世界200か国以上が加盟している「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(通称、HS条約)」の品目表に基づいて作成されています。世界で行われている貿易実務の98%は、このHSコードを用いて行われています。輸入の際には、HSコードと原産地を確定することで関税額がきまり、各国の貿易統計もこのコードをもとに取られています。
HSコードは6桁の数字で成り立っています。最初の2桁が「類」、次の2桁が「項」、次の2桁を「号」として構成されており、この6桁は世界共通となっています。したがってどの国で輸入しても、関税率はそれぞれの国で違いますが、基本的には同じ番号(HSコード)で通関が行われます。7桁目以降は国によって細分化されていて、日本では9桁まで、米国では10桁まで記載することができます。
それでは化粧品のHSコードを見てみましょう。
化粧品は大きく分けると「33類」か「34類」に分類されます。
第33類は「精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類」ですが、項まで見てみるとこのように区分けされています。
メーキャップ用品の場合、33類4項に分類されますが、用途によってHSコードは変わり、それは「号」によって区別します。例えば、
などとなります。ここまでわかれば関税率を確認することも可能です。
シャンプーやヘアラッカーなどはヘアケア用品(5項、3305)、歯磨き粉やデンタルフロスなどはお口のケア用品(6項、3306)、アフターシェーブローションや脱毛剤などは髭剃り用品の仲間(7項、3307)に分類されます。
一方、34類は、「せっけんや洗剤、ろう、ワックスなどの製品」と定義されています。化粧品の仲間ではクレンジングやせっけんがここに分類されます。ここでも、
という具合に分類が分かれ、さらに号によって細かく分類されます。
スキンケア用のせっけんと一般的な石鹸は、何が違うのかと思われると思いますが、FDA的にも大きな違いがあります。それはまた別の機会にお話しします。
HSコードさえわかれば各国の関税率は簡単に調べることができますので、ぜひ覚えておいてください。次回は、関税率のお話をします。
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