FDA査察 vol.2 −食品安全計画

2025/1/27

食品安全計画

FDA査察 vol.1はこちらをご覧ください

 

工場プロファイルを返送してしばらくすると、FDAから査察のスケジュールが送られてきます。御社の工場が査察対象となったことを意味しますが、特に落ち込む必要はありません。FDAに登録し米国に輸出をしていれば遅かれ早かれ来るものですから、淡々と受け止めて準備を開始しましょう。

 

査察の準備とは、具体的には次の6つを指します。査察当日までにこれらの準備を進めていきます。

  1. 食品安全計画の作成
  2. コンサルタントの雇用
  3. 文書類、資料の点検
  4. 査察対応チームの発足(製造、 品質管理、仕入れ、エンジニア、ファシリティ)
  5. 役割分担
  6. 査察当日に向けての準備(会議室、作業着、 ツアー、 ホテルへの送迎)

今回は食品安全計画についてお話ししましょう。

食品安全計画とは, 米国食品安全強化法(FSMA) 第103条のPCHF規則(ヒト向け食品に対する予防コントロール)において, 米国に輸出する食品に関して食品製造事業者が策定しなければならないと義務付けられている書類です。
皆さんはHACCPやFSSC22000等で同様の書類を作成し運用されているため、食品安全計画を策定していない方も多いと思います。しかくFDAではあくまでFDAが定めた食品安全計画の作成と運用を求めます。査察に際しても、まず食品安全計画の提出を要求されますので、まずは食品安全計画を策定し, その順守のための態勢を整えておく必要があります。

食品安全計画では製造施設で実際に働かれる方によるに「食品安全チーム」を編成することを求めています。この食品安全チームは、購買(仕入れ)、製造、品質管理、海外営業の各部門の担当者と工場責任者で構成しますが、上記4の査察対応チームのメンバーと被りますので、同じチームで査察にも対応されるといいと思います

 

食品安全計画の策定は次の4つのステップで完成させます。

 

■STEP 1 「チーム編成と基礎資料の準備」

  1. PCQIを決定する
  2. チームを編成する
  3. 基礎資料を準備する
  4. 会社・工場の概要
  5. 製品説明書
  6. 工程説明書(フローダイアグラム)

■STEP 2 「危害分析表の作成(ハザード分析)」

  1. 製造ステップの洗い出し
  2. 予見可能な潜在的食品安全危害の特定
  3. 潜在的食品安全危害に対する予防管理の必要性の有無
  4. 3の根拠
  5. 重要な危害に対する予防管理
  6. 予防管理の実施の有無

■STEP 3 「予防管理表の作成」

  1. プロセス管理
  2. アレルゲン管理
  3. 衛生管理
  4. サプライチェーン管理

■STEP 4 「リコールプランの作成」

  • リコールプランの作成

食品安全計画の策定は難しいものではありませんが、FDAではフォーマットを指定していないため、なかなか着手できない方も多いようです。
弊社では、食品安全計画のフォーマットをExcelでご用意させていただき、作成についてのレクチャーを行っています。お困りの方は遠慮なくお問い合わせください。

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CBEC中川 泰
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中川 泰

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