FDAによる日本の食品製造施設への査察が増えています。コロナ禍以前では年間70件程度だったようですが、コロナ禍が明けた後は150件を超える査察が実施されています。現在、FDAに登録がある日本の製造業者は15,000社程度といわれているので、1％ほどの登録事業者に対して査察が実施されていることになります。

 

査察に関する連絡は、USFDAForeignFoodInspectionPlanning@fda.hhs.govというアドレスから「USFDA Notification of Inspection」という件名のメールが届きます。そこには、

これは、米国食品医薬品局 (U.S.FDA) が近い将来、貴社の食品、動物飼料、または化粧品施設で検査を実施する予定であることを通知する公式通知です。この通知を受け取る可能性を高めるため、U.S.FDAは、電子メール、ファックス、および/または郵便を含む利用可能なすべての連絡先にこの通知の複製を送信しています。さらに、この検査通知を貴社の管轄当局に通知しています。記録によると、貴社の施設はU.S.FDAの管轄下にある食品、動物飼料、または化粧品の栽培者、収穫者、加工者、製造者、梱包者、再梱包者、および/または保管者であり、これらの製品は米国内で消費または使用するために提供されています。
検査はU.S.FDAの検査官によって実施され、貴社および貴社の製品が連邦食品・医薬品・化粧品法、および該当する場合は公衆衛生サービス法に基づく米国の要件を満たしているかどうかを判断します。この検査の時点で貴社が米国市場向けに食品、動物飼料、化粧品を製造している必要はありませんが、貴社が操業中であれば訪問する予定です。

とあります。この通知はFDA登録はあるものの、輸出実績がまったくない事業者に対しても送られることもあります。添付されている工場プロファイル（FACTORY PROFILE）に必要な情報を書き込み、5日以内に返送するよう指示されています。

このメールは下記のように続きます。

この問い合わせには、受信後 5 日以内に返信し、次の情報を提供してください。

• 企業の連絡先、電話番号、ファックス番号、および電子メールアドレス（ある場合）
• 農場/梱包工場、製造現場、加工施設、および / または保管施設の企業の完全な住所と郵送先住所
• 該当する場合、操業時間、季節営業、および / またはこの検査のスケジュールに影響する可能性のあるその他の問題
• 記入済みの工場プロファイル（FACTORY PROFILE）の添付ファイルを返送してください

この工場プロファイルを返送後、2か月程度で査察の日程などが書かれたメールが送られてきます。概ね2～3か月ほど先の日にちが書かれているため、最初のメールが届いてから4～5か月後に査察が実施されることになります。ただし、日程の調整はできません。

 

なお、工場プロファイルを返送したにも関わらず、その後何の連絡もない場合もあります。FDAは工場プロファイルの内容を吟味したうえで実施する事業所を選び、実際に査察を行う事業者に対してだけ通知を送りますので、その後の通知がないということは今回は査察を実施しないということを意味します。

 

いずれにしても査察への対応の第一歩は、工場プロファイルをきっちりと埋めて、期限内に返送することです。工場プロファイルはすべて英語なので、いざ埋めようとすると意外に時間がかかるものです。その時のために工場に関する情報をあらかじめ整理しておけば安心です。

 

実際の工場プロファイルを添付しておきますので参考になさってください。

• 工場プロファイルを見る（PDF/800KB）