Q & A
よくあるご質問をまとめました
FDA関連 / 越境EC関連 / 関税・VAT関連 / Amazon関連 / 貿易実務関連
Amazon関連
FBA納品には、越境ECのBtoCの発送業務とは全く異なる、「輸出」という貿易の側面があります。輸出である以上、輸出貿易管理令、関税法などの法律に従わなければなりません。知らなかったでは済まないほど、法律違反には厳しいペナルティが待っています。また海外倉庫への在庫移動という税務署泣かせの業務までおまけでついてくるので、年度末にはかならず経理部か会計士の先生から問い合わせがはいります。
それでもAmazon.comには、大きなビジネスチャンスがあります。これまでに見たこともないような大きな市場が待っています。皆さんが初めにやること、それは貿易をやるという覚悟を持つことです。皆さんが世界を相手に対等に戦うために、貿易という共通のルールを知り、そしてそれを守ったうえで世界に進出するという覚悟です。そのための準備として、貿易の手続きや知識の精通した信頼できるパートナーに相談すること。それがまずはじめにやるべきことです。
日本のセラーがFBAを利用する場合、一般的には5つのメリットがあると言われています。
- 英語でのカスタマーサポート(365日、24時間)をAmazonが代行してくれる
- プライム会員は送料無料で2日間での配送がコミットされることから、多くのプライム会員はFBAの商品から購入する
- 日本との時差や祝祭日も関係なく、365日出荷対応してもらえる
- 米国のFBA倉庫を起点として全世界へ出荷
- Amazonで販売したもの以外の出荷も可能
Amazon.comでは、FBAを利用するために、3つのルールをセラーに課しています。
- 輸入者を用意する
- 関税払済みとして納品する
- 一般の輸入通関を通す
貿易において荷受け人を指す言葉としてConsignee(コンサイニー)とImporter(インポーター)の2つがあります。Consigneeは「届け先」として使われることが多く、Send toと書かれることもあります。一方、Importerは「輸入者」という意味として使われます。一般的な貿易では、Consignee = Importerとなることも多いようですが、AmazonFBAでは「Amazon = Consignee」であって、「Amazon ≠ Importer」です。
米国での輸入通関に際しては、Importerは必ず必要となります。なぜならImporterには、関税の支払いを担保するという重要な役割があるからです。そしてその意思を明確にした「Power of attorney(通関委任状)」という税関書式を事前に通関業者に提出することがImporterに義務付けられています。
FBAの場合、「Amazon ≠ Importer」なので、誰かがImporterの役割を果たさなければいけません。
また米国に居住していないものはImporterになることができないため、私どもの米国支店がお客様に代わってImporterを代行することになります。
「米国Amazonは輸入者にならない」というルールがある以上、たとえばEMSなどで直接FBA倉庫宛におくることは、ルール違反となります。
- 米国Amazonは輸入者にならない
- 商品をアメリカの内国貨物にしてから納品する
このルールがある以上、FBA倉庫へ直送してはいけません。
“EMSでFBA倉庫宛に送ったら、受け取ってくれたよ” そんな話をよく耳にしますし、実際に受け取ってもらえることも多いようですが、Amazonビジネスでルールを守らないということがどういう結果を生み出すか、賢明なお客様であればお分かりのはずですので、輸入代行者を利用することをお勧めします。
Amazon.comにアカウントを開設されたからと言って、すべての取扱商品をFBAとする必要はありません。まずは売れ筋の限られたSKUを少量だけFBAにいれて、様子を見ながら徐々にFBAにいれるSKUを増やしていかれてもいいと思います。大事なことは、
- 時間がかかってもSKUを増やしていくこと
- 初期の段階から、スポンサープロダクトは活用していくこと
です。最終的には、SKU数が販売に大きなインパクトを与えます。焦らず、粘り強く出品数を増やしていくことをお勧めします。
Amazonにもスポンサープロダクトと呼ばれるクリック課金型検索連動広告があります。検索キーワードに対して入札で落とした広告主の商品を検索結果の1ページ目に露出させます。
FBA納品直後にはさまざまなキーワードを入れておいて、検索順位の上位に露出させることが重要だといわれています。
FBA登録をすべて済ませたら、とにかく早く納品したくなるものです。でもここでちょっと落ち着いて考えてください。いくら素晴らしい商品であっても、すぐに大量に売れるものでもありません。Amazon.comは、世界中からライバルが集まってくる巨大ショッピングモールですので、まずは検索にかかるための作戦を練ることが大事です。
Amazonの場合、新着のFBA商品は同じカテゴリーの中で検索上位に上がる傾向があります。まずはこの傾向を利用します。
初回のFBAで送るべき商品が決まったら、全量を1回の納品で済ませるのではなく、3回ぐらいにわけて2週間おきに納品するプランを考えてみます。そうすると2週間に1回、新着FBA商品として取り上げられて、検索にかかる確率があがります。
FBAは短期決戦ではありません。こうした地味な作業を繰り返して着実に検索にかかるようなエース商品を作っていくことが大事です。
欧州AmazonのFBAは、3種類あります。
- MCI (Multi-Country Inventory)
自分で選んだ国(EU)にだけ在庫を置き、その国にだけ出荷する
メリット:VAT登録も最低1つですむ、FBA費用も最小限
デメリット:選択した国のみにしか販売できない、どの国で自分で売れるのか判断が必要 - EFN(European Fulfilment Network)
アカウント開設した国に在庫し、全てのEU内の マーケットプレイスで販売できる
メリット: VAT登録も最低1つですむ、全てのマーケットプレイスでPrimeバッヂ表示
デメリット:在庫国以外の顧客への配送は時間がかかる - Pan-European FBA
アマゾンがシステムで判断し、一番最適と思われる国に在庫を置き、全てのEU内のマーケットプレイスで販売できる
メリット:低コスト、顧客への短納期、全てのマーケットプレイスでPrimeバッヂ表示、在庫と異なる国への販売も追加費用が不要、顧客はその国の言語でCSを受けられる
デメリット:全ての国でのVAT登録が必要なので、VAT対応の費用がかかる