FDA(米国食品医薬品局)が2021年度のInspection Observation Data (検査結果データ)を公表した。2020年10月から2021年9月までに実施された食品関連施設の検査において、違反の多かった項目がまとめられている。
2021年度で違反の多かった項目トップ5は以下のとおり。
1. FSVP違反
FDAは、FSMA (食品安全強化法)に則り、ほぼすべての食品輸入業者に対し、サプライヤーに関する外国供給業者検証プログラム(FSVP)を策定し、継続的に実施することを義務付けている。これにより、FDAは外国供給業者が食品安全規則に準拠した食品を生産していることを検証することができる。
FSVP検査において、輸入業者は、サプライヤーの食品安全を十分に保障する完全なFSVPを提示することが求められる。2021年度には、FSVPが不適切として通告を受けた施設は796に上り、2020年度比で55%の増加となった。検査違反項目としてFSVPがトップに挙がるのは4年連続になる。
2. 害虫対策
施設検査中、FDAは害虫が侵入する可能性も調査する。2021年度、適切な害虫駆除対策が講じられていないとして通告を受けた施設は88に上った。これは、害虫駆除剤が適切に使用されず、食品、食品が接する部分、あるいは梱包材が汚染される可能性を示唆している。
3. 製造管理
2021年度、製造、加工、梱包、保管管理について通告を受けた施設は84に上った。こういった施設は、微生物の増殖、アレルギー物質の混入、食品汚染や劣化の可能性を最小限に抑える環境で運営されていないことを示す。FDAは食品関連施設に対し、管理された環境下で食品を取り扱い、消費者の健康リスクを回避することを義務付けている。
4.危害要因(ハザード)分析
ほぼすべての食品施設は、施設で発生しうる生物学的、化学的、物理的ハザードを特定し、それに対する予防措置を講じることが義務付けられている。例えば、病原菌が、それを除去するプロセスを経ても残存する可能性が特定される場合がある。2021年度、危害要因分析が十分でないとしてFDAの通告を受けた施設は83件に上る。
5.衛生管理
食品を外的な脅威から守るため、食品施設は清潔と衛生を維持することが義務付けられている。検査では、食品への異物混入を防止するため、施設内のあらゆる設備が適切に修理され、消毒されているかどうかが評価される。2021年度、衛生管理違反で通告を受けた施設は70であった。
原文:Top 5 Inspection Violations in FY 2021 ※ 原文内にあるリンク・およびリンク先につきましては省略しています。
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