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5. OTC医薬品

一般的に化粧品と思われている物には、「Cosmetics(一般化粧品)」「OTC Drug(OTC医薬品)」があります。OTCとは医師の処方箋が不要で、薬局や薬店の対面販売(Over the Counter)で購入可能な医薬品のことを指します。日本の薬機法でも、医師による処方箋が必要な薬を「医療用医薬品」、OTC医薬品を「一般用医薬品」と呼んで、分けています。
OTC医薬品を効能のある化粧品とか、医薬部外品の一種と思っておられる方が結構多いようですが、そうではありません。ちなみに医薬部外品は、医薬品と化粧品の中間に位置するものとして薬機法の規制に含まれていますが、実は世界では余り例の無い日本独特の制度なのです。

OTC医薬品には、ダイレクトOTC医薬品とスイッチOTC医薬品の2種類があります。ダイレクトOTC医薬品とは、医薬品として承認された新規有効成分が医療用としての使用経験なしで、直接(ダイレクトに)市販薬として販売を許されたものです。
一方、スイッチOTC医薬品とは、医療用医薬品として長年使用されてきた結果、有効性や安全性が確立され、市販薬としても販売されるようになった医薬品のことを言います。
FDAではOTC医薬品については、その治療薬の種類と有効な成分を厳格に定めています。その有効成分の条件を定めた公的な承認基準のことを「モノグラフ」と呼びますが、連邦規則集に各治療薬別に掲載されています。現在、整腸剤や下痢止め、吐気止め、睡眠薬、目薬、虫歯予防剤などの有効成分について、20種類のモノグラフが公示されています。
FDAは成分以外に、製品ラベルに書かれている文言(CLAIMといいます)についても規定しています。例えば一般化粧品に次のような文言を書くとOTC医薬品とみなされるので注意してください。

  • Age spot elimination (シミ・そばかすを消す)
  • Wrinkle reduction/erasure (しわをなくす)
  • Collagen building (コラーゲン生成)
  • Circulation increase (血行を良くする)
  • Elimination of puffiness (むくみをとる)
  • Whitening of skin (お肌の美白)
  • Skin repair (お肌の修復)
  • Stretch mark reduction (妊娠線、肉割れをなくす)
  • Hair growth (発毛、育毛)
  • Sun damage treatment(日焼け対策)

OTC医薬品にはさまざまなものがあります。そういったものの中には、フッ化成分を含む歯磨き粉や薬用シャンプーなど一般化粧品と重なるカテゴリーがあります。FDAの認証に関して言えば、OTC医薬品と一般化粧品ではまったく手順や準備する書類が異なりますので、化粧品を海外へ輸出しようと思ったら、まず初めに確認しておきたいのが、一般化粧品かそれともOTC医薬品かという点です。

ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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