そもそも化粧品とはなんでしょうか。
日本の法律、薬機法では、化粧品を次のように定義しています。
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他それに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。」
(医薬品、医薬機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、第2条3)
実はFDAが定める化粧品の定義も、これとよく似ています。
「人の体に塗る, 馴染ませる, スプレーする等により, 体をきれいに美しくし, 魅力を高め, または外見を変えるためのものであること」としています。
FDA defines a cosmetic as a product (excluding pure soap) intended to be applied to the human body for cleansing, beautifying, promoting attractiveness, or altering the appearance.
https://www.fda.gov/industry/regulated-products/cosmetics-overview
製品評価技術基盤機構は、化粧品を次の6種類に分類しています。
- スキンケア化粧品(洗顔料、メーク落とし、化粧水、美容液、乳液、美白、日焼け止めなど)
- メークアップ化粧品(口紅、アイシャドウ、頬紅など)
- ヘアケア化粧品(シャンプー、リンス、トリートメント、整髪料、パーマ剤、染色・脱色、育毛製品など)
- ボディケア化粧品(ボディシャンプー、ハンドソープ、デオドラント製品、入浴剤など)
- 歯磨き剤
- フレグランス化粧品(香水、オーデコロンなど)
入浴剤や歯磨き剤も化粧品に含まれていますが、これらの製品をアメリカで販売するためにはFDAのルールに従わなければいけません。
ところでFDAの化粧品に関する規制で、製品の一番目立つ面(Principal Display Panel、PDPといいます)の表示方法についてのこんなルールがあります。
「2つ以上の成分を含む化粧品のラベルに表記する製品名には、消費者が誤解しないように、すべての成分ではなく1つ以上の名前だけを名前にしたり、または思わせるような名前を表示したりしてはいけない。」
日本では、「はちみつ」や「へちま」、「はとむぎ」など、成分名を冠した製品があふれていますが、それ以外の成分が入っている場合にはNGとなります。この点などは日本のルールと少し違いますよね。これ以外にも内容量の単位や字の大きさなどにも細かな規定があります。FDAの管轄が宣伝広告にまで及んでいることが、このことからもわかります。ラベル表記に関しては、ぜひ専門機関でのアドバイスを受けることをお勧めします。
もうひとつ注意しなければいけないのが、OTC医薬品の件です。アメリカでもOTC Drugといわれます。OTCとはOver The Counterの略で、カウンター越しで販売してよい薬のことです。かつては大衆薬とか市販薬といわれていましたが、今はOTC医薬品という名前に統一されています。化粧品の中には、その成分や用法、効果によってOTC医薬品とみなされるものがあり、FDAに関しては化粧品とは全く違う手続きとなります。
次回はそのOTC医薬品についてわかりやすくお話しします。
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