今回からは、化粧品のFDA認証に関する実務について説明していきます。
食品やOTC DRUG、メディカルデバイスのFDA認証では、
- 製造施設の登録
- 米国代理人の登録
- 成分チェック
- 製品ラベルの英語化
といった業務が必要です。そのため、OEMで製造を委託している場合には、そのメーカーに協力してもらう必要があります。
しかし一般化粧品では、1の製造施設の登録と2の米国代理人は不要で、成分チェックを行い、FDAの定めに従って製品ラベルを英語化すればいいことになっています。
そのため、準備する書類は、
- 英語化された成分表
- 英語化された製品ラベルのデータ
の2種類です。
成分のチェックでは、成分そのものの可否だけではなく表示方法についてもチェックを行います。基本的にはINCIと呼ばれる国際命名法ルールに基づいた化粧品成分の国際的表示名称を使います。ここに記載のない成分が使われている場合には認証が下りないケースがあるので注意が必要です。また着色料を使用されている場合には別途注意が必要です。
英語化された製品ラベルは、下記の手順で準備を行います。
- 現行の製品のラベルを英語に翻訳する
- イラストレータ形式で保存する
これらの書類と所定の申込書をご用意いただき、認証料金をお支払いいただき、ラベル評価がスタートします。ラベル評価は米国の専門家が行います。もともとのラベルをイラストレータ形式でご用意いただくのは、このラベル評価のプロセスで、オリジナルのラベルデータを基にして修正を加えていくためです。
化粧品のラベルでは、PDP(Principal Display Panel)と呼ばれる最も目に付くラベル面に関する規制がたくさんあります。消費者が最も目にするという理由から、消費者が誤解しないことを目的としています。たとえば、その商品がそもそも何か、また内容量の表示方法や単位、文字の大きさにまで規定があり、専門家のアドバイスを受ける必要があります。
そうした専門家の評価を経て、概ね3~4週間程度で認証作業は終了し、FDAのルールに即した形に修正されたラベルとその修正内容を詳細に記したレポートをお返しいたします。
実際に出来上がってきたラベルは、オリジナルのラベルをもとに作られているとはいえ、やはり随分とイメージが変わるものになります。お客様としては、マーケティング的にもデザイン的にもなかなか納得しがたいものが出来上がってきます。そこで、最終の評価後、30日以内であれば、私どもの評価をもとにお客様が改めてデザインしたラベルをもう一度評価しています。
そのようなプロセスを経て、概ね2か月程度で、アメリカで販売できるラベルが出来上がります。化粧品を米国に輸出する際、税関で止められる原因のほとんどはラベル不備だといわれていますが、このようなプロセスで作成されたラベルであれば、税関で止まることはありませんので、ご安心ください。
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