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2. どの国を狙いますか?

化粧品の市場規模はざっと35兆円です。ワインの市場規模の10倍、ビール市場の6掛けといったところでしょうか。とにかく女性の美に対する想いはすさまじいものがあります。 その中で、最大の市場はアジア・太平洋エリアです。このエリアには25を超える国があり、40億人が住むといわれていますが、そこでは年間13兆円もの化粧品が消費されているそうです。そのため、化粧品の輸出を考えたとき、多くのひとがまず思い浮かべるのがアジアです。日本にも近く、民族的にも日本に近いアジアを狙いたくなるのが人情というもの。13兆円というアジアは確かに魅力的な市場です。日本製品が大好きな中国や超親日派として知られている台湾などもあり、検討の価値は十分あります。

化粧品の市場規模で、アジアに次ぐ2番目の消費国はアメリカです。アジアの10分の1の人口ですが、世界で生産される化粧品の25%、約10兆円の化粧品を消費しているそうです。当然、輸入量も世界一。住んでいる人も白人、黒人ヒスパニックにアジア人まで世界中の民族が全員集合していることもあって、あらゆるタイプの化粧品が売られています。 それではヨーロッパはどうでしょうか。化粧品の生産量と輸出量が最も大きいのは、実はヨーロッパです。世界の化粧品の輸出量の50%は欧州から輸出だと言われています。

それではどこをターゲットにすればいいのか。

13兆円というアジアは確かに魅力的な市場です。日本製品が大好きな中国や香港があり、すぐお隣の台湾も超親日派として知られているので面白い市場ですが、アジア全体で考えると25以上の国があり、中には化粧品の輸入に厳しく対応している国も少なくないので、エリアで考えると輸出初心者にはちょっと手ごわい市場といえるかもしれません。化粧品の場合、輸入通関の際にその国独自のさまざまな法規制をクリアする必要があります。規制以外にも、言語や習慣、人種、気候、宗教にも配慮しなければいけません。国を欲張ると準備にとても時間がかかるため、国を絞るということ、そしてどこの国を選ぶかということは大事なキーワードです。

そういう観点から、私はアメリカからスタートすることをお勧めしています。理由はいろいろありますが、例えば、

  • 規制がFDAだけでわかりやすい。配送方法も郵便、クーリエ、航空貨物・海上貨物などが選べる
  • 多くの民族が暮らしており、アジア人もたくさん住んでいるが、英語だけで十分
  • Amazonを活用すれば、初期コストを抑えて販路を確保できる。FBAを活用すれば配送もCSも手離れする

というように「物流」「コミュニケーション」「ターゲット」「販路開拓」といった面で大きなハザードがないことも、お勧めする理由です。

アメリカは、皆様の狙っているゴールではないかもしれません。本命はあくまでアジアと思っている方も多いでしょう。だからこそ、まずアメリカからスタートして、アメリカの中のアジアンマーケットに訴求したのち、いろいろわかったうえで本命の中国や香港、台湾に切り込んでみる、そんな視点も面白いと思います。

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